

|
 |
新会社法が施行されたら有限会社はなくなるの?
そうです!新会社法の超目玉!!新会社法がスタートしたら有限会社法が廃止されるんです。つまり、もう新たに有限会社を作ることは不可能になります。新会社法では有限会社は会社法に規定される「株式会社」のひとつの形態として「株式会社」に統合されちゃいます。そして現行の有限会社は「特例有限会社」と呼ばれ、「会社法の株式会社として存続すること」「今までの有限会社と変わらないようにするための特則」(整備法)が設けられることにより、自動的に現行有限会社と同様の組織形態を持つ特別な「株式会社」となるんです。
よって自動的になっちゃうわけですから、基本的には会社法施行後も何も手続きをする必要はないんです。また新会社法上は「株式会社」の扱いでも、会社名に「有限会社」と名乗り続けることができるんです。
新会社法が施行されたら有限会社はどうすればいいの?
現行の有限会社は次の3つの中から今後の選択をしていくことになります。
- 「特例有限会社」として存続する
- 「商号変更による通常の株式会社への移行」を行い新株式会社へ
- 組織変更をして持分会社(合名・合資・合同会社)へ
1.「特例有限会社」として存続
今のまま有限会社を続けることができちゃいます。新会社法では、今までの有限会社は「特例有限会社」と呼ばれます。
今までは、有限会社法という商法以外の法律の適用がなされていましたが、今後は会社法という一本化された法律の適用を受けることとなります。がしかし、整備法により、旧有限会社法の適用を存続できる部分が多くあるので、特に「株式会社」にこだわらなければこのまま存続するメリットはあります。
新会社法豆知識! →
- <メリット>
- ・役員の任期がない
- ・決算公告の義務がない
- ・監査役の権限が会計監査のみ
- ・名刺や事務用品の商号変更が不要
- ・官公庁への届出なども不要
- <デメリット>
- ・有限会社型の株式会社の設立が可能になるためキャラがかぶる
- ・「株式譲渡制限会社」の定めを変更できない
- ・新会社法により新たに設置できる会計参与を設置できない
- ・会社合併、分割にあたって吸収合併存続会社や吸収分割承継会社になれない
- ・特別決議の要件
(特例有限会社・・・出席株主3/4以上の賛成)(新株式会社・・・出席株主2/3以上の賛成)
新会社法が施行されたら登記の変更は必ず必要
さてさて。有限会社法がなくなるからといって、新会社法に従いすべての変更登記申請をしなければならないの??というわけではありません。
先ほども述べたように旧有限会社法を存続できる部分が多いこと、新会社法に則して特例有限会社として「みなし規定」があることにより、変更登記申請をせず現行のまま存続できます。
しかーし、「みなし規定」をもってしても、会社の『定款』自体の記載を変更することはできませんのです。変更登記の申請が必要ないだけです。したがって、特例有限会社の『定款』は、新会社法に則した定款自体の変更、つまり書き換えて新しいものにすることが望ましいと思います。定款自体を変更(書き換えて新しいものにする)には形式的な定款変更決議(株主総会の特別決議)を行うことが必要となるとされていますから、以下の手続きによることになります。
書き換えて新しいものにしただけの場合は登記申請や官公庁への届出をする必要はありません。
新会社法豆知識! →
有限会社が有限会社であり続けるために、するべきことをまとめてみました!
有限会社 |
→ |
特例有限会社 |
→ |
みなし規定により定款を読み替えるため定款変更の決議をする |
→ |
変更登記申請が必要な場合 |
→ |
変更登記申請が不要な場合 |
2.「商号変更による通常の株式会社への移行」を行い新会社法上の新株式会社へ
新会社法により最低資本金制度が撤廃されるので、今までの資本金300万円のまま株式会社となることができちゃうのです。また取締役1人の株式会社も設立することができるので(「譲渡制限株式会社」に限る)、役員もそのままで株式会社とすることができちゃいます。つまり資本金も役員も今の有限会社の状態のまま株式会社へ変更することができてしまうんです。
なんとラッキー♪
株式会社に変更するには以下の手続きが必要となります。
なお、「取締役会を設置したい」「会計参与を設置したい」などの登記事項(第20条参照)を変更したい場合は、さらに登記の申請が必要になってきますよ。
新会社法豆知識! →
- <メリット>
- ・さまざまな機関設計が可能(取締役会の設置や会計参与の設置が可能になる)
- ・対外的に印象がよくなる
- <デメリット>
- ・コストがかかる
- ・名刺や事務用品、印鑑などの作り直し
- ・官公署への届出
- ・不動産登記や特許を取得している際の変更手続き
3.組織変更をして持分会社(合名・合資・合同会社)へ
新会社法では特例有限会社は株式会社とみなされるので、持分会社(合名・合資・※合同会社)への組織変更が可能になります。
新会社法豆知識! →
- <メリット>
- ・定款自治の拡張
- ・役員に任期がない
- ・決算公告が不要
- <デメリット>
- ・組織変更にあたるため手続きが面倒
- ・あえて変えるほどのメリットはない
- ・定款変更に全社員の一致が必要(合同会社)
|